シンデレラのSweetなお時間



(…そっか)



言われてみれば、そうだ

普通は自分の好きな人に下着のモデルなんてさせない

写真なんて撮らせない

私が相手だったら、嫌だもん



だけど、それが出来るってことは

そもそも私はそういう対象に入っていないということ



私はただのモデルで

商品を売るため、魅せるためだけに価値がある

彼はそのために私を選んだだけで

私が断れば、きっと他の誰かに行っただろう



(…自惚れ、た)



恥ずかしい

彼は優しいから、少し近付いただけの距離

それを思い上がって、浮かれて、自惚れて

自分が特別だなんて感じてた



結局何も変われてない

愛情と便利を履き違えて

利用されるだけの、自分





きっとキスも、彼の気まぐれ








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