シンデレラのSweetなお時間
ten
『好きな人の下着姿なんて、写真に撮らせないもん』
その言葉に
自分の立場を改めて知った日
私はモデルだけど、決して彼の特別じゃない
そう思う度に心は痛む
それまでの幸せが嘘のように
痛くて、苦しくて
(…呼吸が、つらい)
そんな気持ちでも毎日は過ぎ、仕事納め、年末年始、仕事始め…と新年を迎えたオフィス
にぎやかな先輩たちに、真面目な彼、そして端でパソコンをカチカチと打つ私。
変わらない光景の中、一つだけ変わったものといえば
「安藤、これを入力頼む」
「…はい」
書類を手渡す玲二さんに、私は静かに紙を受け取ってはそっけなくデスクへと戻る。