シンデレラのSweetなお時間
「あの日のキスも、ただの気まぐれなんじゃないかって…そう、思っちゃって…」
「……」
ポロポロと止まらない涙と言葉をこぼす。
すると、不意に頬に熱い缶がピタッと当てられた。
「ぎゃっ!?」
「何ブサイクなツラで泣いてんだよ。あーあ、メイクやり直しじゃねーか」
「航さん…?」
それは外から戻ってきた航さんの仕業だったようで、彼は私に当てたコーヒーの缶をくれるとハルミさんにももう一本を配り、さらに自分用の一本をカチッと開けた。
「で?玲二にとってお前が恋愛対象だとかそうじゃないとか?」
「き、聞いてたんですか?」
「嫌でも聞こえる」
「……」
そして私の左隣へ座っては、暖かなコーヒーを一口飲んだ。