シンデレラのSweetなお時間
話しながらデスクの下に潜り込みボールペンを拾う。が、立ち上がるタイミングを間違えデスクにガンッと頭をぶつけた。
「うわ!安藤さん大丈夫!?」
「大丈夫です…」
「何て言うか…本当、安藤ってついてないよなぁ」
「……」
幼い頃から、どちらかといえば上手く生きられない方。
鈍臭くて要領が悪い。あがりやすくて目立つのが苦手で、地味に細々と生きていければいい。
そんな考えのもと過ごしてきたおかげで、染めたことのない黒髪に分厚いメガネ。就職活動の時から使っているリクルートスーツ…と、俗に言うもさい格好の私。
そんな自分が正直、こんな会社に受かり仕事をしていられるのも奇跡だ。
「……」
ぶつけた頭をさすりながら椅子に座り直し見れば、手元の資料には『株式会社dejavu』の文字。