Hair cuts
「どうした、元気ないんじゃない?」

遊里が心配そうに私の顔を覗きこんだ。

「別に、大丈夫、平気」

微笑むと、遊里も微笑んでくれた。去年、愛華と腕を組んで歩いたこの道を、今、私は遊里と手を繋いで歩いている。

「来年も、再来年も、その次も、みんなで来ような!」

帰り際浩人がそう言って、勿論と愛華が言い、ああと遊里が同意した。私だけが何も答えなかった。
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