Hair cuts
「さーん」

さくらの顔もだんだんおぼろになって、灰色だった世界に火花が散って、闇が迫ってくる。

あ、外の雪景色、見ておけばよかった。

意識を完全に失う前、あたしはそんなことを考えた。

まっさらで、清い、純白の世界。

きっと、次に目を開けたあたしには、もう二度とそんな綺麗な景色を見ることが出来ないから。
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