Hair cuts

ふと、先ほどポストから取って来た封筒が目がいった。差出人の名前の書いていない何か。

私は、何気なくそれを開いてみた。中に入っていたのは厚みのあるノートだった。

日記帳だろうか。

表紙をめくり、私は「あっ」と、叫んだ。この丸みがかった小さな文字には見覚えがあった。愛華の字だ。慌てて消印を確認すると事件の翌日になっている。

どういうことだろう。

けれど、考えるより先に表紙をめくっていた。きっと答えはこの中にある。私は暗くなった部屋に電気をつけるところりと丸い愛華の文字を追った。

「何、これ？」

それは手紙だった。愛華が私にあてた手紙。最後まで届くとこのなかった、愛華の心の叫びが、そこには綴られていた。