Hair cuts
放課後、ドリンクバーのあるファミレスでいつもの集い。喫煙席が満席で少しだけ待たされた。席の予約表に「ヘア・カッツ」と書いたら、まじ、そのまんま呼ばれた。「最悪!恥ずかしい」と、さくらがマジ切れした。冗談の通じないやつ。

おかげで、さくらはずっと不機嫌だった。必死にさくらの機嫌を取る愛華。四人で遊ぼうよと俺にせがむのは愛華のくせに。

愛華は四人で行動するのが好きだ。たまには二人きりで遊ぼうと言っても、「浩人とはいつでも一緒なんだから、それ以外の時間は四人がいい」ときかない。

じゃあ、さくらと遊里はどうすんの?って思うけど、愛華はそれには気づかない。そういうとこ、愛華は鈍い。だからはぶられてたんだなって納得。

高校時代、愛華はいじめが原因でほとんど学校へ行けていなかったらしい。愛華の同級生というやつにきいたら、(あの子、空気読めないんだよね。それに、うざいし)って。わからなくはない。

そんな愛華にとことん付き合っているさくらは案外良い子なのかもしれない。最も、すでにクラスではグループができあがっていて、今さら他のグループへ移れないだけかも知れないけど。
< 78 / 166 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop