本当の俺を愛してくれないか?
「最上部長!新商品の企画書、よろしくお願いします!!」
「了解。あとで必ず目を通すから、そこに置いてもらってもいいかな?」
手が離せず、パソコンのキーを打ちながら部下に指示をする。
「よろしくお願いします!!」
企画書を机の上に置くと、部下は大きく一礼し、自分のデスクへと戻って行った。
...疲れた。
大学を出て入社した会社は食品関係。昔から料理やお菓子作りが大好きで、この世界で働いていくことを選んだ。
趣味の延長、ではないがお菓子の新製品を作れる魅力ある仕事。入社当時から、色々な企画を出しては世に新商品を送り出してきた。
...そして気づけば部長。忙しい毎日を送っている。
「部長、お先に失礼します」
「お疲れ様」
定時を過ぎると、女性社員を筆頭に次々とみんな帰っていく。
時計を見ると、19時過ぎ。
ある程度まで仕事が片付き、後は家でも出来る雑務のみ。疲れている時こそ、自分で好きな料理を作って食べながらお酒を飲みたいと思い、職場を後にする。
節電のご時世、定時を過ぎた今の時間、オフィスの廊下は小さな電球のみしか点灯しておらず、薄暗い。
エレベーターも三機あるというのに、今の時間、動いているのはたった一機のみ。当然呼び出してもなかなか来ない。
しばらくの間待っていると、やっと降りてきたエレベーター。ドアが開くと、薄暗い廊下に眩しい光が漏れる。
「...あれ?最上部長も今お帰りですか?」
乗り込むと同時に聞こえてきた声。
「...小林さんこそ。まだ残っていたの?」
驚いた。
エレベーターに乗っていたのは、去年入社したばかりの小林宏美だった。
「休憩室で、ちょっとみんなとお話ししてたら遅くなっちゃいました」
そう言って笑う彼女の笑顔からは、まだ幼さを感じる。
短大を出てすぐに入社した彼女は、まだ21歳。28歳の俺とは七歳も違うわけで。どうしても彼女といると、年の差を感じてしまう。
「部長は地下ですか?」
「あぁ、ごめん」
「いえいえ」
突然やって彼女との密室空間。なんとなく気まずく感じてしまう。
それと言うのも...。
「了解。あとで必ず目を通すから、そこに置いてもらってもいいかな?」
手が離せず、パソコンのキーを打ちながら部下に指示をする。
「よろしくお願いします!!」
企画書を机の上に置くと、部下は大きく一礼し、自分のデスクへと戻って行った。
...疲れた。
大学を出て入社した会社は食品関係。昔から料理やお菓子作りが大好きで、この世界で働いていくことを選んだ。
趣味の延長、ではないがお菓子の新製品を作れる魅力ある仕事。入社当時から、色々な企画を出しては世に新商品を送り出してきた。
...そして気づけば部長。忙しい毎日を送っている。
「部長、お先に失礼します」
「お疲れ様」
定時を過ぎると、女性社員を筆頭に次々とみんな帰っていく。
時計を見ると、19時過ぎ。
ある程度まで仕事が片付き、後は家でも出来る雑務のみ。疲れている時こそ、自分で好きな料理を作って食べながらお酒を飲みたいと思い、職場を後にする。
節電のご時世、定時を過ぎた今の時間、オフィスの廊下は小さな電球のみしか点灯しておらず、薄暗い。
エレベーターも三機あるというのに、今の時間、動いているのはたった一機のみ。当然呼び出してもなかなか来ない。
しばらくの間待っていると、やっと降りてきたエレベーター。ドアが開くと、薄暗い廊下に眩しい光が漏れる。
「...あれ?最上部長も今お帰りですか?」
乗り込むと同時に聞こえてきた声。
「...小林さんこそ。まだ残っていたの?」
驚いた。
エレベーターに乗っていたのは、去年入社したばかりの小林宏美だった。
「休憩室で、ちょっとみんなとお話ししてたら遅くなっちゃいました」
そう言って笑う彼女の笑顔からは、まだ幼さを感じる。
短大を出てすぐに入社した彼女は、まだ21歳。28歳の俺とは七歳も違うわけで。どうしても彼女といると、年の差を感じてしまう。
「部長は地下ですか?」
「あぁ、ごめん」
「いえいえ」
突然やって彼女との密室空間。なんとなく気まずく感じてしまう。
それと言うのも...。