本当の俺を愛してくれないか？

私は？

「...どう見ても月曜日よね」


週明けの月曜日。
現実を受け入れたくなくてさっきからカレンダーとテレビを交互に見てしまっていた。


「行きたくないな、会社」


何度神様に祈ったことか。
『どうかどうか、月曜日が永遠にきませんように...』って。

当たり前だけど神様なんているはずもなくて。気付けばあっという間に月曜日の朝を迎えてしまった。


咲花は『最上部長大人だし、理解あるから大丈夫だよ』って言ってたけど...。
数々の醜態をおかしておいて、私は本当にどんな顔をして最上部長に会えばいいのよ。


「...とりあえずまずは謝るべきよね」


泊まらせてもらっちゃったこと。飲み会の席で逆セクハラ行為をしてしまったこと。
それから...。彼女さんにごめんなさいって。


考えれば考えるほど気持ちは落ちていく。だけど当然仕事を休むわけにはいかないわけで...。


「...行かなくちゃ」


時計を見ると、そろそろ出ないと電車に乗り遅れてしまう時間。

どうにか重い身体を動かして家を出た。


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ーーーー


【ご乗車ありがとうございましたー】


ドアが開くと人の波に流されながら電車を降りて改札口へと向かう。


いつもは早く会社に行きたくて人をかきわけて前へと進んで行くのに、今日の私にはそんな元気あるわけもない。

階段を上がり定期を出そうとした時、


「あっ！やっぱり小林さんだ！」

後ろから私を呼ぶ聞き慣れた声。


「...小森さん？」


後ろにいたのは同じ開発部の先輩、小森さんだった。


「珍しいね、電車一緒だったなんて。今まで一度も会ったことなかったよね？」


「はぁ...」


そりゃそうよ。降りると同時にダッシュしてたんだから同じ電車でも会わないはずよ。


「いやー。月曜の朝からラッキーだな。小林さんと一緒に出勤できて」


「あはは...」


改札を抜け、目的地は同じだから当然一緒に行く形になってしまった。




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