本当の俺を愛してくれないか?
「...そういえば部長、彼女さんとは最近どうですか?」
...きた。
実は数ヵ月前、一人で街をぶらぶらしながら趣味の雑貨を見ていた時、偶然彼女と出会ってしまった。
最悪のパターンで、その場所は可愛いキッチン用品や雑貨が並べられている場所で。
そして手にしていたのは、可愛いキッチン雑貨。あの時は本当に『終わった...』と思った。
だけど幸いなことに、以前菜々子とスーパーで買い物しているところを会社の人に見られており、彼女がいるという噂が流れていたようで。
どうにか小林さんには、彼女へのプレゼントを選びに来ていただけ。と認識された。
この趣味のことはバレずに済んだが、この日を皮切りに小林さんは二人っきりになると、決まってこの話題を振ってくる。
そして俺は決まって同じ答えを返す。
「...お陰様でうまくいってるよ」
うまくいくどころか、菜々子は彼女ではないし、むしろ俺...振られたけど。
「もー。部長ってばいつも同じ答えなんだから!私が聞きたいのは、最近の彼女さんとのらぶらぶエピソードなんです!」
だから菜々子は彼女じゃないし、振られたって!
...とは勿論、言えるはずもなく。
ちょうどエレベーターは小林さんが降りる1階へと辿り着く。
「また今度の機会にね」
「ちぇー。残念。...絶対に今度聞かせて下さいよ?...お疲れ様でした」
笑顔で彼女を見送ると、彼女は軽く一礼しエレベーターを降りる。
「お疲れ様」
扉が閉じられると同時に漏れる溜め息。
「...勘弁してくれよ」
誰もいない密室の中、思わず本音が漏れる。
...きた。
実は数ヵ月前、一人で街をぶらぶらしながら趣味の雑貨を見ていた時、偶然彼女と出会ってしまった。
最悪のパターンで、その場所は可愛いキッチン用品や雑貨が並べられている場所で。
そして手にしていたのは、可愛いキッチン雑貨。あの時は本当に『終わった...』と思った。
だけど幸いなことに、以前菜々子とスーパーで買い物しているところを会社の人に見られており、彼女がいるという噂が流れていたようで。
どうにか小林さんには、彼女へのプレゼントを選びに来ていただけ。と認識された。
この趣味のことはバレずに済んだが、この日を皮切りに小林さんは二人っきりになると、決まってこの話題を振ってくる。
そして俺は決まって同じ答えを返す。
「...お陰様でうまくいってるよ」
うまくいくどころか、菜々子は彼女ではないし、むしろ俺...振られたけど。
「もー。部長ってばいつも同じ答えなんだから!私が聞きたいのは、最近の彼女さんとのらぶらぶエピソードなんです!」
だから菜々子は彼女じゃないし、振られたって!
...とは勿論、言えるはずもなく。
ちょうどエレベーターは小林さんが降りる1階へと辿り着く。
「また今度の機会にね」
「ちぇー。残念。...絶対に今度聞かせて下さいよ?...お疲れ様でした」
笑顔で彼女を見送ると、彼女は軽く一礼しエレベーターを降りる。
「お疲れ様」
扉が閉じられると同時に漏れる溜め息。
「...勘弁してくれよ」
誰もいない密室の中、思わず本音が漏れる。