本当の俺を愛してくれないか?
「どう?美味しい?」


「はっ、はい...」


あのあと、半ば強引に連れていかれたパスタ屋さん。

タイミングよくすぐに席に案内されて。でも、少しすると席はあっという間に埋まってしまった。
そして、言われるがまま注文した小森さんお勧めのランチセット。


「良かった。でも本当に美味しいだろ?」


そう言って満足そうにまた食べ始める小森さん。

...今のところは、特に変化なしかな?

今朝の手前、つい小森さんの仕草や表情の変化に敏感になってしまう。

だってどう考えてもおかしいじゃない?自分に恥をかかせた女をランチに誘うなんて。
それともわざとやっているの?
下手に出て私から謝らせようっていう考え?

いやいや、どちらにしてもこれはチャンスなのかもしれない。
先に謝っちゃえば仕事もやりづらくないわけだし。

...よし!さっさと謝っちゃって戻ろう!

そう思い、一度フォークを紙ナプキンの上に置いた時、


「あのさ、小林さんって彼氏いるの?」


「...えっ!?」


まさかそんなこと聞かれるなんて思いもしなかったから、思わず大きな声を出してしまった。


そんな私とは違い、なぜか真剣に私を見つめてくる小森さん。


「...最上部長は憧れとかで、やっぱ他に彼氏がいたりするの?」
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