本当の俺を愛してくれないか?
「同棲しているんですよね?...なのに私なんかが泊まってしまったから...」


同棲!?
いや、俺には彼女がいるって噂になっていたのは知っていたが、そこまで話が膨れ上がっていたのか?


「いや、それは大丈夫だから」


下手に否定しない方がいい、よな?


「本当ですか!?」


「あぁ」


「...良かったー!」


本気で心配していたのか安心したように笑顔を見せる小林さんに、胸が痛む。



「...ずっと心配だったので本当に安心しました!...それに最上部長にも呆れられてしまったと思っていたので」


「えっ...」


「だってそうじゃないですか。あんな醜態見せてしまったので...」


そう言うと今度は恥ずかしそうに目を伏せる。

...本当、前から思っていたけど彼女の表情はいつもころころ変わるな。


「..いや、俺の友達には小林さんより酷い酒癖の奴がいるから」


「えっ!!私よりですか!?」


「あぁ。酷いよ、本当に」


桜子の酒乱ぶりは。



「だからそんな呆れたりしないから。...ただもう少し飲む量は押さえた方がいいと思うけど、な?」


「...はい、それはもう今回のことで深く反省しました」


「ならいいよ。...悪かったな、一緒に遅刻させてしまって」


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