本当の俺を愛してくれないか？

『おかげさまでうまくいっているよ』って。


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「そろそろ帰るか」


あれから数週間過ぎた今日。すっかりと真冬な今、残業しているのは俺ぐらいだった。


そろそろクリスマス間近。そりゃみんな残業している場合じゃないよな。


そんなことを考えながら帰る身支度をしていると突然鳴り出すケータイ。


「誰だ？こんな時間に」


背広を着ながらケータイを手に取り相手を確認すると桜子からだった。


普段滅多に桜子から電話を掛けてくることはなくて、たまに俺から掛けるだけだった。

まさかなにかあったのだろうか..。
そんな不安を抱えながらすぐに電話に出た。


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「いっや～わりぃな、翔太！恩にきるぜ！」


「...本当にどうしようもないな、相変わらず」


あれから電話に出て話を聞いたら誰もいないオフィスで思わず怒鳴ってしまった。

だってそうだろ？

『居酒屋に来たはいいけど、お金がないから助けてくれ』と。


「まーまー！翔太も一杯どうぞ」


「どうぞって...。お前なぁ、俺の金だろ！」


「あっ、そうでした！まー、なんでもいいじゃねぇか！久し振りに会ったんだし、一杯くらい付き合えよ」