本当の俺を愛してくれないか?
えっ...。翔太?
それにこの声って...。
メニュー表へと伸ばしかけていた手は止まり、後ろを振り返る。
「久し振りに会ったけど相変わらずで良かったよ」
「おう!おかげさまでお変わりなく元気でやってるよ」
「そっか...」
聞こえてくる会話に私の胸は高鳴る。
やっぱりこの声って最上部長...だよね?
もしかして彼女?
でも話を聞いているとそんな感じには聞こえないし...。
私の酔いはすっかりとさめてしまい、聞こえてくる会話に緊張が増す。
どうしよう...。
なんか盗み聞きしている気分。
だけどこのお店壁がないから会話が筒抜けだし...。
なにより今立ち上がって帰るわけにはいかない。
見つかったらそれこそ盗み聞きしていたと思われそうで怖い。
「ははーん。さては翔太、菜々子に会いたくないから帰りたくねぇだけだろ?」
「べっ、別にそういうわけじゃー...」
えっ...。菜々子?
「なーに今更私にまで嘘つくんだよ!全部知ってんだから、隠すことねぇだろ?」
「...それは、そうだけど...」
初めて耳にする名前。
そして、初めて聞く。こんなにも余裕のない、どこか苦しそうな最上部長の声。
「まぁ、さ。無理に早く忘れろとは言わねぇけどそろそろ新しい恋っつーのをしてもいいんじゃね?うちらもう若くねぇんだしさ」
「...そんなの、俺が一番よく分かってるよ」
忘れる?どうして?
だって最上部長にはずっとラブラブな彼女さんがいるはずなのにー...。
「ならさっさとー...!」
「だけど無理なんだよ。だってそうだろ?菜々子以上に俺を理解してくれる女なんていないだろ?
昔からそうだった。可愛いものが好きで料理やお菓子作りが趣味の俺を何の偏見もせずに接してくれたのは、菜々子だけだった」
菜々子?
可愛いものが好き?
料理やお菓子作りが趣味...?
ちょっと待って。本当に最上部長ってばさっきから一体何を言っているの?
それにこの声って...。
メニュー表へと伸ばしかけていた手は止まり、後ろを振り返る。
「久し振りに会ったけど相変わらずで良かったよ」
「おう!おかげさまでお変わりなく元気でやってるよ」
「そっか...」
聞こえてくる会話に私の胸は高鳴る。
やっぱりこの声って最上部長...だよね?
もしかして彼女?
でも話を聞いているとそんな感じには聞こえないし...。
私の酔いはすっかりとさめてしまい、聞こえてくる会話に緊張が増す。
どうしよう...。
なんか盗み聞きしている気分。
だけどこのお店壁がないから会話が筒抜けだし...。
なにより今立ち上がって帰るわけにはいかない。
見つかったらそれこそ盗み聞きしていたと思われそうで怖い。
「ははーん。さては翔太、菜々子に会いたくないから帰りたくねぇだけだろ?」
「べっ、別にそういうわけじゃー...」
えっ...。菜々子?
「なーに今更私にまで嘘つくんだよ!全部知ってんだから、隠すことねぇだろ?」
「...それは、そうだけど...」
初めて耳にする名前。
そして、初めて聞く。こんなにも余裕のない、どこか苦しそうな最上部長の声。
「まぁ、さ。無理に早く忘れろとは言わねぇけどそろそろ新しい恋っつーのをしてもいいんじゃね?うちらもう若くねぇんだしさ」
「...そんなの、俺が一番よく分かってるよ」
忘れる?どうして?
だって最上部長にはずっとラブラブな彼女さんがいるはずなのにー...。
「ならさっさとー...!」
「だけど無理なんだよ。だってそうだろ?菜々子以上に俺を理解してくれる女なんていないだろ?
昔からそうだった。可愛いものが好きで料理やお菓子作りが趣味の俺を何の偏見もせずに接してくれたのは、菜々子だけだった」
菜々子?
可愛いものが好き?
料理やお菓子作りが趣味...?
ちょっと待って。本当に最上部長ってばさっきから一体何を言っているの?