本当の俺を愛してくれないか？

...げっ！なっ！
わっ、私ってば一体なにを...！


「あぁ？誰だ？この女」


「バカ桜子！同じ会社の人だよ」


そう言って慌てて立ち上がる最上部長に私の頭の中はパニック状態へと陥る。


「あっ、いや！そのっ、これはー...」


どっ、どうしよう！私、どうしたらいいの！？



「げぇっ！マジかよ！もしかしてあんた、さっきの話聞いちまったのか！？」


「えっ！！」


聞いてない！...とは言えないわよね、この状況...。


ちらっと最上部長を見ると、最上部長も私を見ていて自然と目が合う。

もう素直に言うしかないわよね？



「...はい。すみません」

って。


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「........」

「.........」


どっ、どうしよう。気まずすぎて仕方ないんだけど。

顔をあげると斜め前を最上部長が歩いていて。


あのあと、誰もなにも言えなくて。しばらくしてから最上部長が『送っていくよ』って言ってくれた。

そして今に至るわけだけど...。


歩き出してから約10分。さっきからなにも話していない。


...最上部長は今、何を考えているんだろう。

さっきの話からすると会社では本当の自分じゃないみたいに言っていたけど...。
もしかして私への言い訳を必死に考えているのかな？
どうやって誤魔化そう。とか思っている？


だったらそんなこと考えるの無意味なんだから、やめてほしい。


「...なんか、ごめん」


「えっ？」