本当の俺を愛してくれないか?
「...無事で、良かったです」


「えっ...?」


だってそうでしょ?


「仕事で良かったです。...事故とかに遭ってたらどうしようって心配で...」


「小林さん...」


だから本当に良かった。


涙を拭い最上部長を見る。


「お疲れ様でした。遅くまで。...あの、それで申し訳ないことにSkyは閉店しちゃってて...」


せっかく最上部長、急いで来てくれたのに。


「もう遅いですし、雪も積もってきちゃったから...」


「まだ今日は終わってないだろ?」


『帰りましょうか』そう言おうとしたけど最上部長の言葉に遮られてしまった。


「...最上部長?」


ドキドキとうるさい心臓。


「あのさ、もし大丈夫だったら家に来ない?」


えっ...。家にってことは最上部長のお宅にってことだよ、ね?


...えぇー!!?


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ーーーーーーー

ーーー


「...どうしよう」


響く声。

それもそのはず。だってここは浴室の中だから。
自分の家の、じゃなくて最上部長の家。


あのあと、あのまま最上部長の家にやって来て。
寒いだろうからってお風呂を沸かしてくれた。もう私は有り得ない現実にただ最上部長に言われるがまま入らせてもらっちゃったけど...。
果たしてこれで良かったんだろうか。


ちょっと大胆すぎた?好きな人の家でお風呂だなんて。
いやいや、でも最上部長は私のことを心配してお風呂を沸かしてくれたわけだし...。
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