【完】お人好しな彼に、恋をしました。
人前で寝るとか意外だね……って付け足そうとしたんだけどまた、彼の顔が曇った気がした。
「ははっ、そんなふうに思ってくれてたんだ、ありがとう」
気になったけど、彼がいつもみたいに笑うから。
これ以上何も言うことはできなかった。
「…その、さ、このことは俺たちだけの秘密にしてもらっていい?」
「…え?」
バスを降りる直前、彼は私にそう言った。
「ほら…レンとかに知られたら、すごいからかわれそうでさ、俺」