【完】お人好しな彼に、恋をしました。
「麻桜、いい?」
「あたしは別にいいわよ」
麻桜が廉夜くんの前の席に座る。
しばらく三人で話していると、種梨くんが戻ってきた。
「…遥希くん、なにかあったの?」
麻桜がそういうのも無理はない。
明らかに彼の顔が曇っていたから。
「え?うん…」
気まずそうに頭を掻く彼。
「種梨く…」
「せっかくテスト終わったってのに、ハルは何でそんな辛気臭そうな顔してんだよ?」
…廉夜くん。
どうして私の周りには、言葉を遮る人が多いの。