【完】お人好しな彼に、恋をしました。
私は彼をすごいと思って、憧れてるだけ。
この気持ちに、それ以上に意味なんてない。
……はず。
でも、夏休みの間も始業式の間も私の目は彼を探してた。
一方的に見ていただけだから、目が合わないのは当然。
彼のことは支えたいって思う。
だけど、それは彼女になりたいと思うのとは違うし……
彼をこんなに想ってる鈴音ちゃんなら、私なんかよりずっと彼を支えてあげられると思う。
鈴音ちゃんの顔がぱあっと明るくなる。
「ありがとうございます、先輩」