【完】お人好しな彼に、恋をしました。
クラスメイトが続々と帰っていく中、麻桜が声をかけてくる。
麻桜とは図書委員の仕事がない時に一緒に帰っているんだけ…ど。
「ごめん、今日ちょっと用があるから先に帰ってて」
麻桜はチラッと机の上の荷物を見て、再び私を見てニヤリと笑った。
「……あたしからしたら、あんたも相当なお人好しだと思うけどなぁ」
「っ、そんなわけ……」
ないに決まってる。
このイライラした気分で家に帰っても、勉強にも集中できないだけだし。