【完】お人好しな彼に、恋をしました。
小さい頃、お姫様に憧れてた。
自分もなれるって思ってた。
けれど現実はひどく残酷で。
何度も諦めた。
あの時の私に言ってやりたい。
女の子は、誰だってお姫様になれるんだよ。
自分だけの王子様を見つけた、その時から。
美術室の窓から、そっとグラウンドを見つめる。
花火で騒ぐ人たち、告白する人たち。
2人で同じものを見て、同じ時をこれから共有していきたい。
隣を見ると、微笑んでくれる彼。
私もそっと彼に微笑み返した。
END