【完】お人好しな彼に、恋をしました。
指切りをしたあと、光希ちゃんは階段を降りて行った。
「懐かしいな、指切り……俺たちも昔やったよな。あの時琴葉が泣くから、俺も引っ越すのすごい嫌だったんだよな」
同じこと考えてくれてたんだ……
こんな些細なことが、すごく嬉しい。
「私も嫌だったよ。私、種梨くんがいなくなったらひとりで頑張れるかなって、すっごく不安だったもん」
「でも、今はこうして一緒にいられる。約束、守れたよね、俺」