【完】お人好しな彼に、恋をしました。
彼が後ろから、私を包むように腕を回す。
鎖骨あたりにある彼の腕に、そっと触れる。
「にしてもすっかり光希とも仲良しだよね。でも俺、君が花に詳しいなんて知らなかったよ」
「きっかけは、その……幼稚園の時に種梨くんがくれたタンポポなんだけどね。でも、花言葉とか調べだしたのはホント最近だよ?」
「俺がきっかけ、か。うん、すっげー嬉しい。ねぇ、琴葉」
「うん?」
少しだけ後ろを振り向く。
思ったより近くに彼の顔があってドキドキする。