【完】お人好しな彼に、恋をしました。
「───くん、今度、おゆうぎ会だね!こと、おひめさまになれるかなぁ?」
「おひめさまとか……ばっかじゃねぇの?」
幼稚園の時の記憶。
多分、5、6歳の頃。
「もしね、ことがおひめさまになれたら ───くん、おうじさましてくれる?」
「おうじさまとか、いるわけねーだろ!」
「あ、───くんどうしてそんなこというの、まってよ!」
いつも私を苛めていた男の子たちから私を守ってくれたから、───くんは私にとっておうじさまみたいな存在だったんだよ。