【完】お人好しな彼に、恋をしました。
「あぁ、それはね……」
さっきまで廉夜くんが座っていた前の席には、今は種梨くんが座っていて。
私の横の席に座っていたはずの麻桜も、化粧直さなきゃ、なんて言って席に戻ってしまった。
てか、廉夜くんって私の科学のノート借りに来たはずなのに、持っていくの忘れてるんだけど……
「……ってことなんだけど、大丈夫?今の説明、やっぱわかりにくかった?」
「へ?あ……う、ううん、ありがとう!あ、あとね……」
チャイムが鳴るまで15分くらいしかなかったけど、種梨くんは付きっきりで私に日本史を教えてくれた。