【完】お人好しな彼に、恋をしました。
彼の、声だった。
彼が話すだけで、周りの視線が一斉に彼に集まった。
私が言いたいこと思ってること、全部言ってくれて。
あぁやっぱりすごいな、なんて思う。
シーンとなったみんなを見渡し、彼はニコッと笑って続ける。
『高校生で最後の遠足なんだし、楽しもーぜ!だからちゃんと男女一列に並んでなー』
彼は、怒らない人なのかなって勝手に思ってた。
でも、それは私の勘違い。