都会育ちのギャルが田舎に転校してきました




ふと。菜穂が『あ!』と声を零す。菜穂の視線の先には廊下側の窓。



「見て見て愛莉紗〜!み〜んな愛莉紗を見に来てるねえ?ほらあ!」



菜穂が廊下側の窓を指差す。見れば菜穂の言う通りウジャウジャと廊下に人集りで出来ていた。その視線の先は私達。




「まるで見せ物みたい。動物園じゃないんだから」

「田舎者は“都会”ってだけで興味をそそられるからねえ。それに愛莉紗は菜穂と居るしぃ」

「―――菜穂と?」

「菜穂も1年前に此処に来たけど馬合う人居なくて孤立しててさあ。1年間ずっと1人だったんだよねえ。だから余計に悪目立ちするんだよお」




苺ミルクを飲みながら言う菜穂はそこまで気にしてない様子。見た目とは裏腹、結構タフみたいだ。
< 129 / 188 >

この作品をシェア

pagetop