都会育ちのギャルが田舎に転校してきました
だけど菜穂に出逢えた。同じ境遇で私を理解してくれる、この島でたった1人の理解者。この上ない神様からの贈り物だと思った。
それを菜穂に言うと笑ってくれた。馬鹿にしたようだが、どこか嬉しそう笑顔を浮かべて。
菜穂は苺ジュースを持ちながら席から立ち上がる。
「かなり笑っちゃったあ〜!だって愛莉紗ってば神様なんて言うんだもん〜!神様なんて居るわけないじゃん!」
「煩いっつうの―――何処かに行くの?」
「はあ〜?さっき言ったこともう忘れてたのお?」
いきなり立ち上がった菜穂に私は聞く。菜穂は顔を顰め“さっき”と言った。
さっき?何か言った?
本気で分からず、首を傾げる私に溜め息をついた菜穂。