都会育ちのギャルが田舎に転校してきました




「お婆ちゃんに上げるのお!病気が治りますように〜って!お婆ちゃんが早く元気になれるように、四つ葉のクローバーを上げようと思ったの〜!」

「菜穂…」

「お婆ちゃんの病気治ったら都会に戻れるから」

「……」




私の感動を返しやがれ。




少しでも見直した私が馬鹿だった。純粋で優しい笑顔に、ジーンとキタのに。胸に響いた時間が勿体なかった。


“お婆ちゃん”ではなく“たあ君”のことを思い浮かべての満面の笑顔。動機が不純すぎる。純粋にお婆ちゃんの心配しようよ!?


…やっぱり菜穂は菜穂だと思った。
< 155 / 188 >

この作品をシェア

pagetop