都会育ちのギャルが田舎に転校してきました
「はあ?まだ良いじゃん。時間あるし」
「ダメだって。呼んでこいって言われた真麻が怒られるし」
「…ったく。生意気なんだよ。妹の癖に」
サラッと艶のある金髪を掻き上げ空を見上げる姉。眩しそうに太陽に手を翳すその姿は、まるで海を優雅に泳ぐ人魚姫のようだった。
お伽噺の中から飛び出してきたかのような派手な出で立ち、そしてあまりにも整いすぎた目鼻立ち。
目を奪われるには充分過ぎた。
見惚れてしまった妹はホゥ、と思わず吐息をつく。
浜辺と汀(ミギワ)
ここだけ境界線が張り巡らされ、別世界のようだと感じてしまった。