都会育ちのギャルが田舎に転校してきました
―――――さらさらさらさらさらさらさらさ。風が吹き姉の金の髪を浚う。砂が吹き荒れ“ザァァ”と耳の聴覚を支配する。


姉の神秘的な美しさを改めて目の当たりにした真麻は言葉を失った。自分の声で空気を揺らすことを躊躇い言葉を発する事を臆する。


都会の“向こう”では常に遊び周り、遊び歩き、夜な夜な家を出て行っては中々帰ることのない日々を送っていた金髪の女―――――――否。真麻の姉。


だから今こうして同じ空間に、同じ時を、二人だけで過ごしている事が、真麻にとって信じ難いことだった。
< 7 / 188 >

この作品をシェア

pagetop