今日も秘密。
‡優斗side‡
「高倉くん!」
「ん?」
「大丈夫?」
「大丈夫だってば…」
せっかく水城先輩とのデートなのに、さっきの雨で僕が風邪をひいたらしい。
水城先輩の匂いがするソファに座っていても目眩はするし、体中が熱い。フラフラしてまともに歩けない。
「だって立てないでしょ?」
図星。
でも彼女の前で『風邪ひきました。今日のデートはなしです。』なんて言えるわけない。
仮にも男なんだし。
「立てるに決まってる」
そう言って立ち上がった瞬間――――
「高倉くん!?」
目の前が真っ暗になって、意識を失った。