今日も秘密。

「…」


家の中は真っ暗だった。

水城先輩の靴も鞄もない。
ということは、まだ帰っていないということだ。


「クソッ…」


―ダンッ


僕が壁を殴った音が響く。





『ただいま、高倉くん』





後ろを振り向いても、彼女の笑顔も、姿すら見えない。



どこに行ったんだよっ…


そうして僕は家を飛び出して走った。



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