徒花
「………」
「あいつは変わったよ。それは間違いなくマリアちゃんに会ってからだ」
「………」
「マリアちゃんの全部を背負う覚悟だっつってた。もう二度と後悔したくないんだとよ。俺にはそういうことよくわかんないけど、今のあいつなら大丈夫だろうとは思った」
「………」
「最初はまたコウが気まぐれで付き合ったんだと思ってたけど」
ダボくんは何かを思い出したような顔でふっと笑い、
「どうしてももう一度マリアちゃんと話したいから探してくれって言われてさ。俺はテツ先輩とのこと知ってたから止めたんだけど。でも、あいつはマジな目してて」
「………」
「あいつ、俺に頭下げたんだよ。『どんなことでも聞く覚悟はできてる』、『それより俺はマリアがいない方が辛いんだ』だって」
「………」
「しっかし、ガキの頃から知ってるけど、一生あのままだと思ってたのに、いつの間にか成長しやがってさぁ」
まるで感慨にふけるような瞳の色だ。
ダボくんは目を細め、煙の行きつく先を見つめた。
そこには無数の星屑が煌めいている。
「あいつなりに葛藤はあったんだろうよ。まぁ、そりゃそうなんだろうけど。でも、あいつはそれでもマリアちゃんといることを選んだわけだし」
「………」
「だからマリアちゃんもあいつに頼ってやれば? あいつはそういうことを望んでるんだと、俺は思うけどね」
私をレイプさせておいて、『マリアがいない方が辛い』って?
そんな人に頼れって?
と、その時、鳴ったのはダボくんの携帯だった。
「おー、噂をすればだ」
ダボくんはわざわざ【コウ】と表示されたそれのディスプレイをこちらに見せた後で、通話ボタンを押した。
やばいとは思ったものの、やっぱり逃げる術がない。
「え? いなくなった? って、それなら今俺の目の前にいるけど?」
「あいつは変わったよ。それは間違いなくマリアちゃんに会ってからだ」
「………」
「マリアちゃんの全部を背負う覚悟だっつってた。もう二度と後悔したくないんだとよ。俺にはそういうことよくわかんないけど、今のあいつなら大丈夫だろうとは思った」
「………」
「最初はまたコウが気まぐれで付き合ったんだと思ってたけど」
ダボくんは何かを思い出したような顔でふっと笑い、
「どうしてももう一度マリアちゃんと話したいから探してくれって言われてさ。俺はテツ先輩とのこと知ってたから止めたんだけど。でも、あいつはマジな目してて」
「………」
「あいつ、俺に頭下げたんだよ。『どんなことでも聞く覚悟はできてる』、『それより俺はマリアがいない方が辛いんだ』だって」
「………」
「しっかし、ガキの頃から知ってるけど、一生あのままだと思ってたのに、いつの間にか成長しやがってさぁ」
まるで感慨にふけるような瞳の色だ。
ダボくんは目を細め、煙の行きつく先を見つめた。
そこには無数の星屑が煌めいている。
「あいつなりに葛藤はあったんだろうよ。まぁ、そりゃそうなんだろうけど。でも、あいつはそれでもマリアちゃんといることを選んだわけだし」
「………」
「だからマリアちゃんもあいつに頼ってやれば? あいつはそういうことを望んでるんだと、俺は思うけどね」
私をレイプさせておいて、『マリアがいない方が辛い』って?
そんな人に頼れって?
と、その時、鳴ったのはダボくんの携帯だった。
「おー、噂をすればだ」
ダボくんはわざわざ【コウ】と表示されたそれのディスプレイをこちらに見せた後で、通話ボタンを押した。
やばいとは思ったものの、やっぱり逃げる術がない。
「え? いなくなった? って、それなら今俺の目の前にいるけど?」