徒花
視線
ひとりっきりの夜を、いつも私は持て余す。
いや、夜だけじゃない。
朝も、昼も、いつでもどこでも、どんなに誰かと馬鹿騒ぎをしていても、どこか虚しさを拭えない。
つまらないんだ、私は、毎日が。
お金ならあるよ。
男だっていっぱいいる。
でも、どうしても、こんな日々を変えてくれる“何か”を求めてしまう。
それが何なのかはわからない。
だけど、きっと、何でもいいのだと思う。
私が、私自身を殺してしまう前に、早く、抜け出したいの。
騒がしいネオン街を歩きながら、吐き出したため息は形をなさずに消えた。
右を見ても左を見ても、人だらけなのに、カラッポな街。
辛気臭くて、胡散臭くて、っていうか、ほんとにドブ川のような匂いがするから臭くて、嫌になる。
足を止めて、どうして私はここでこうしているのだろうかと思った。
でもすぐに、愚問だなと思い、また足を進める。
行くアテなんてものは、ないのだけれど。
空気が濁っていて。
星さえ見えなくて。
まるでこの街は私そのもののようだ。
私は一生こうやって生きていくのだろうか。