徒花
「……私、どうすればいいの……」
「何が?」
「……子供とか考えたこともなかったし、それにいきなりこんなことになったって、私は……」
「落ち付けっつってんだろ!」
コウに一喝され、私はびくりと肩を上げた。
コウは舌打ち混じりに「ごめん」と言いながら、
「生理、どれくらい来てねぇの?」
「……10日くらい、だけど」
言葉にすればするほど、確信に変わっていきそうで怖かった。
それでも私は、そうでない方の可能性を求めてしまって、
「でもさ、どうせ遅れてるだけだろうし……」
「わかんねぇだろ、そんなこと」
「それはそうだけど……」
「だったらまずは確認するしかねぇよ。話はそれからだ」
コウは席を立つ。
「……どこ行くの?」
「お前は寝てろ。薬局行くだけだから。検査薬買ってくる」
「やだ! ダメ!」
私は慌ててコウを制した。
コウは怪訝な顔で「何でだよ!」と苛立ったように言う。
「どっちかわかんねぇのにこんな話してる意味ねぇだろ! そうだったとしても、そうじゃなかったとしても、確かめなきゃ始まらねぇよ!」
「でももしそれでほんとに子供ができてたらどうするの?!」
泣き叫ぶような声が出た。
「できてたら、できてた時の話をするだけだ」
何で突き放すような言い方するの?
私がこんなに不安に思ってるのに、男のコウはそれを気にしてはくれないの?
けれど、結局、コウは私を振り切って出て行った。
「何が?」
「……子供とか考えたこともなかったし、それにいきなりこんなことになったって、私は……」
「落ち付けっつってんだろ!」
コウに一喝され、私はびくりと肩を上げた。
コウは舌打ち混じりに「ごめん」と言いながら、
「生理、どれくらい来てねぇの?」
「……10日くらい、だけど」
言葉にすればするほど、確信に変わっていきそうで怖かった。
それでも私は、そうでない方の可能性を求めてしまって、
「でもさ、どうせ遅れてるだけだろうし……」
「わかんねぇだろ、そんなこと」
「それはそうだけど……」
「だったらまずは確認するしかねぇよ。話はそれからだ」
コウは席を立つ。
「……どこ行くの?」
「お前は寝てろ。薬局行くだけだから。検査薬買ってくる」
「やだ! ダメ!」
私は慌ててコウを制した。
コウは怪訝な顔で「何でだよ!」と苛立ったように言う。
「どっちかわかんねぇのにこんな話してる意味ねぇだろ! そうだったとしても、そうじゃなかったとしても、確かめなきゃ始まらねぇよ!」
「でももしそれでほんとに子供ができてたらどうするの?!」
泣き叫ぶような声が出た。
「できてたら、できてた時の話をするだけだ」
何で突き放すような言い方するの?
私がこんなに不安に思ってるのに、男のコウはそれを気にしてはくれないの?
けれど、結局、コウは私を振り切って出て行った。