徒花
自分で自分が何を言っているのかわからなかった。
けれど、言葉は止まらなくて。
コウはさすがにうんざりした顔をする。
「何いきなりキレてんだよ。意味わかんねぇ。別の日にしようって言ってんだから、それでいいだろ」
「よくないよ!」
別の日じゃあ、意味がない。
今からこの街を出なきゃ、何の意味もないのに。
コウは、なのに、さらにめんどくさそうに舌打ちを吐き捨て、
「お前さぁ、最近マジで何なの? 本気で気分悪ぃ。何が気に入らねぇんだよ」
元カノに対抗心を燃やしてるだなんて、言えるはずもなくて。
私は悔しくて唇を噛み締めた。
どうして私たちが喧嘩しなきゃならないのか。
「コウだって……」
「あ?」
「コウだってそうじゃん! 私といても、いつも別のこと考えてる! 話聞いてない時もあるし、そっちこそ何なのよ!」
叫び散らした。
けれどコウは言い返しもせず、目を逸らすだけ。
その態度に、私の中の糸が切れた。
「やっぱり私がいるから悪いんでしょ! 私がいなきゃ、元カノと話ができるしね!」
「………」
「もういいよ! 勝手にすれば!」
そのまま店を飛び出した。
怒りのままに走って、息が切れたところで足を止め、振り向いたけれど、コウは私を追っては来なかった。
私はその場で膝を抱えた。
けれど、言葉は止まらなくて。
コウはさすがにうんざりした顔をする。
「何いきなりキレてんだよ。意味わかんねぇ。別の日にしようって言ってんだから、それでいいだろ」
「よくないよ!」
別の日じゃあ、意味がない。
今からこの街を出なきゃ、何の意味もないのに。
コウは、なのに、さらにめんどくさそうに舌打ちを吐き捨て、
「お前さぁ、最近マジで何なの? 本気で気分悪ぃ。何が気に入らねぇんだよ」
元カノに対抗心を燃やしてるだなんて、言えるはずもなくて。
私は悔しくて唇を噛み締めた。
どうして私たちが喧嘩しなきゃならないのか。
「コウだって……」
「あ?」
「コウだってそうじゃん! 私といても、いつも別のこと考えてる! 話聞いてない時もあるし、そっちこそ何なのよ!」
叫び散らした。
けれどコウは言い返しもせず、目を逸らすだけ。
その態度に、私の中の糸が切れた。
「やっぱり私がいるから悪いんでしょ! 私がいなきゃ、元カノと話ができるしね!」
「………」
「もういいよ! 勝手にすれば!」
そのまま店を飛び出した。
怒りのままに走って、息が切れたところで足を止め、振り向いたけれど、コウは私を追っては来なかった。
私はその場で膝を抱えた。