アップル☆マジック♪プリンセス
静かになったのを見届けると、再びおほん、と息をついた。


「実はな、盗まれた物が奇妙なんじゃ」


――――奇妙?


村長の言葉に、リアンは首を傾げる。


村長の言う盗まれた物とはこういう物だった。


まず1つ――――棚の上にあった虹色に輝くガラスボール。


それは村の者が作り、村長にプレゼントしたものらしく、確かに美しいが、ただのガラス。


宝石の様に高価なものではない。


それに、その棚の方の壁に掛けてある芸術的で値打ちのある絵画は、盗まれていなかった。


普通ならば、高価な絵画の方を盗みそうなものなのだが......村長はそう言った。
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