アップル☆マジック♪プリンセス
2秒後、ハッと我に返り、笑顔を作って答える。


「いえ、まだ」


そう言うとエルは、がっくしと肩を落とし、リアンのベットに倒れ込んだ。


「エルさん?」


「......リアン。あたし、悔しい」


リアンがその言葉に顔を傾げる。


『残念』や『可哀想』なら分かるが、『悔しい』とは、どういう事なのだろうか。


「エルさん、悔しいって......?」


そうリアンが尋ねると、エルは唇を噛み、額に置いてある手を握りしめた。


「だって、リアンはしっかりした良い子なのに、村の人たちに『悪魔の子』って侮辱されるのは、さ......」


――――エルさん......。


リアンの眼の奥が熱くなる。
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