ハッピー☆ウエディング
「はあ、はあ」
暗い路地に、あたしの声と靴の音が響く。
「はあ はあ はあ はあ・・・・」
あれ?
ちょっと、待って!!??
慶介の家ってどこだっけ!?
あたしは勢いに任せて家を飛び出してきてしまったから、そんな事すっかり忘れていた。
前に慶介の家に行った時は、慶介の車で、慶介の運転だったから本当にうる覚え。
あたしが、その場で立ち尽くしていると、
♪ピロリロリン~♪
突然携帯が鳴った。
慌てて取り出す。
「もしもぉし」
『俺だけど』
慶介だ。
『お前、俺んちわかるの』
そうなんです・・・・・
丁度いいタイミングで、慶介から連絡が入り、住所を教えてもらった。
あたしはタクシーを拾って、慶介の家に向かった。
車の中から、外の景色を眺める。
街のイルミネーションがユラユラと煌いてる。
もうすぐ、慶介に会える。
あたしの胸は自然と波打った。
あ~あ・・・・
制服のまま来ちゃった・・・
もっと、かわいい服に着替えて来ればよかった。
そんな事に思いを巡らせていると、いつの間にか見覚えのある建物の前で車は止まった。