ハッピー☆ウエディング

胸が締め付けられるような感覚に襲われた。


慶介の手が離れてしまったことにすごく焦りを感じてしまってる。


どうしよ・・・


どうしたらいいの?



握りしめた手に力が入る。
その時、慶介が立ち上がった。


「さて、そろそろ帰るか。送ってくから、支度をしなさい」



・・・えっ?



そう言って、濡れた髪をタオルで拭きながらまた、寝室へ消えていった。



あたしは慶介が消えていったドアを見つめたままその場から動く事が出来なくなっていた。



帰りたい。



さっきまではたしかにそう思ってた。


だけど今は・・・・



寝室から着替えを済ませた慶介が姿を現した。

あたしがさっきから動いていないのを見て、少し驚いたような顔をした。


「どうした?」


そう言った慶介はあたしと向き合うように、座った。


「葵?」

「・・・・・・」



あたしは自分の幼さがとても恥ずかしくてたまらなくなった。
だって、今のあたしは慶介に触れてもらう事しか考えていない。

迷惑だってわかってる。


なのに、抑えられない感情が押し寄せてきてる。



「・・・・・ぁ・・・・たし・・・」



こんな気持ち初めてだよ・・・・?





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