ハッピー☆ウエディング

「・・・・ここにいたい・・・」

「・・・・・・」





消え入りそうな声。


でも、確かにその言葉は慶介に届いている。



一瞬驚いた顔をしたけど、すぐにいつもの冷静な慶介に戻っていた。




「どうして・・・」

「え?」


あたしは慶介の声に顔を上げた。
まっすぐにあたしを見つめている慶介と視線が絡まる。


あたしを囲うように両手をついて座っていた慶介が少し困ったような顔をした。



あ・・・



言わなきゃよかった・・・・・





「どうして、そんな事言うんだ」

「・・・ごめんなさい」





シュンとうな垂れるあたしの頬を慶介の大きな手が包んだ。



え・・・





「帰したくなくなるだろ」





掠れた声が耳に届いた時には、あたしは慶介の腕の中に包まれていた。



甘い香水の煙草の匂い。



あたしは広い慶介の背中にそっと手を回した。







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