ハッピー☆ウエディング
目を瞑って慶介のキスを待つ。
時間が止まってしまったのような気がしてしまう。
唇に優しい感触…
あたしはそれに目を開ける。
慶介は親指であたしの唇をなぞっている。
あたしと目が合うと慶介は口角をキュッと上げて笑った。
あたしは恥ずかしくて視線をそらしパチパチと瞬きをした。
そんなあたしの顔を見つめていた慶介はフッと柔らかく笑った。
「葵…結婚しような」
「………」
慶介…
あたしはその言葉を聞いて急に慶介の顔が涙で滲んで、はっきり見えなくなった。
「……ぅう…」
「泣き虫だな」
「だってぇ…」
慶介はあたしの頭を優しく撫でるとそっと体を引き寄せた。
あたし…
この人と結婚しよう。
あたしはそう心の中で思った。