ハッピー☆ウエディング
甘い時間が流れてる。
あたしは、慶介の腕の中で不思議な安心感を感じていた。
そう・・・・
まるで、お父さんみたい。
「ダメしゃん!?」
「・・・なにが?」
あたしは自分の頭の中の声に思いっきり応えてしまった。
ハッとしてブンブンと頭を振って見せる。
「ご、ごめんなさい」
「なにに謝るんだ」
・・・・・
慶介は不思議そうにあたしの顔を覗き込んでいる。
あたしはその顔をおずおずと見返す。
もう一度慶介に感じる想いを確認するために。
いつもは、しっかりと上に上げられている髪。
ほんとに、仕事が出来る人って感じがする。
慶介の仕事場は見た事ないけど、きっと部下から頼りにされてるんじゃないかなって思わせる。
ほんの少し目にかかっている前髪の奥には綺麗な瞳。
その中にあたしがいるのがわかる。
キスをする時にメガネを外した慶介は、いつもの倍、かっこよく見えてしまう。
メガネ姿もいいけど、あたしはこっちの慶介の方がドキドキする。
“お父さん”
うんん。
全然違うよ。
この人はあたしの旦那さまになる人。
あたしの好きな人だもん。
そう心の中で確信した。
慶介が好きだって。