ハッピー☆ウエディング

「あたし、帰るから・・・1人で大丈夫だから・・・・」


こんな強がりしか言えない自分が、どうしよもないくらい惨めに思える。

あたしは精一杯の笑顔と、強がりを言った。




―――大丈夫。



あたし、こんな事で泣かない。



そう心で自分に言い聞かせる。



あたしは、慶介の前を何気ないふりをして通る。
ドアノブに手をかけた瞬間・・・・




え・・・・・





あたしは、慶介に後ろから抱き締められていた。


何も言わず、ただあたしを抱き寄せたその腕にグッと力が入って慶介は、はあーっと大きく溜息をついた。




< 121 / 337 >

この作品をシェア

pagetop