ハッピー☆ウエディング
「あたし、帰るから・・・1人で大丈夫だから・・・・」
こんな強がりしか言えない自分が、どうしよもないくらい惨めに思える。
あたしは精一杯の笑顔と、強がりを言った。
―――大丈夫。
あたし、こんな事で泣かない。
そう心で自分に言い聞かせる。
あたしは、慶介の前を何気ないふりをして通る。
ドアノブに手をかけた瞬間・・・・
え・・・・・
あたしは、慶介に後ろから抱き締められていた。
何も言わず、ただあたしを抱き寄せたその腕にグッと力が入って慶介は、はあーっと大きく溜息をついた。