ハッピー☆ウエディング


「ふーん。」


「・・・」


美羽はじっとあたしの話に耳を傾けて聞いていた。
そして、頬杖をついてあたしの顔を覗き込んだ。



「じゃあさ、電話してみようよ」

「えぇ!?」

「待ってるだけなんてダメだよ。何も変われない」



美羽は『ね』と笑ってあたしに電話をするように催促した。



「ででで・・・でも今仕事中だよ」



時計はまだ5時を回ったところ。
社会人の慶介はきっと仕事中。

あたしは、この提案が慶介の仕事を理由にしてなしになると思った。



「だからなに?」

「へ?」

「仕事だろーがなんだろーが、愛する彼女からの電話なのよ?」



美羽は見た目、ふんわりと女の子らしいんだけど、こうと決めたら意見を曲げない子だ。



「・・・・絶対、出ないよ」



あたしは、美羽の顔を睨むと携帯の液晶を開いた。
慶介の名前のところまで来て、ボタンを押す手が震える。

最後の一押しになぜかとんでもないエネルギーを使う。



「・・・・・」

「・・・・・」

「ぷはぁ、ダメだ~~」



あたしはあきらめて握りしめていた携帯を机の上に置いた。



「も~じれったいなぁ!貸して!!!」



美羽が痺れをきらしてそう言うと、あたしから携帯を奪った。





『ピ』






「あああああああ!!!」



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