ハッピー☆ウエディング
あたしの話をただ黙って聞いていた美羽は急に、あたしの手をガシッと力強く握った。
「葵っ!!」
「はっはい!?」
あたしは握られた手と、真剣な美羽の顔を交互に見た。
「楽しんできて!我慢してたぶんさっ!!」
美羽の大きな瞳がウルウルと揺れている。
「う、うん。ありがと」
あたしは、にっこりと笑ってみせた。
ほんとに休みの日に慶介に会うのは久しぶり。
あの、夜以来会ってないんだもん。
・・・まぁ、この前は慶介の会社にたまたま行ってちょこっとだけ会えたんだけど。
でも、今回はそうじゃない。
ちゃんと、デートなんだ。
そう思うと、ドキドキしてあたしの心は自然と弾んだ。