ハッピー☆ウエディング


開け放った窓から、心地よい風が吹き込んでくる。
少し冷たい風があたしの頬を撫で、髪を伝う。


「寒くないか?」


慶介は、乱れたあたしの髪を見ながら言った。


「うんん、平気」


そう言って、にっこり笑った。


「ぷはっ」

「?」


慶介は何が面白いのか、口元を手で覆って笑い出した。
あたしは、そんな慶介をポカンと眺めた。
ひとしきり笑った慶介は、窓を閉めて視線だけをこちらに向けた。


「いや・・・・乱れた葵もかわいいよ」

「え?」


あたしはハッとして急いで鏡を見た。




ギャー!!!



頑張ってまとめたのに、もうすでにクチャクチャだし!



もう・・・最悪~




「貸して」




あたしがうな垂れてると信号で止まった慶介が、慣れた手つきで髪を結いなおした。



え?



・・・・え??




「すごいね・・・」




鏡の中の自分の頭を見て、そう呟いた。
自分で1時間かけてセットした時より、かわいく出来てる。
まじまじと鏡を見入っているあたしを見て、慶介は柔らかく笑った。




「妹の髪、しばってやってたからね」


「へ?・・・・・妹?」





妹がいたの~~~!!!?


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