ハッピー☆ウエディング
「葵、来月から俺と住まないか?」
………え?
あたしは今、慶介とディナー中。
薄暗い店内には、クラシックが流れている。
深緑の壁紙には、高そうな絵が飾られてる。
真っ白な光沢のあるテーブルクロスの上には高級そうなアンティークのお皿。
おしゃれな雰囲気の店内。
それに、馴染みすぎている一ノ瀬慶介。
そして…あまりに場違いのあたし。
それなのに、あたしはプロポーズの次に重大な告白を受けていた。
「あ………でも、あたしまだ…」
そう言いかけて、つい言葉を詰まらせる。
いくらなんでも、あたしはまだ高校生。
あたし、慶介の奥さんになる自信はないよ……
てゆーか、まだこの目の前に座る人を好きかどうかだってわからない。
彼からもそんな言葉は聞いた事がなかった…。
慶介は……なんであたしと結婚する気になったの?
好きだから?
それとも、やっぱり政略結婚だから?
親の言う通りに、このままあたし達一緒になってもいいのかな……